ヨハネによる福音書 6章12〜21節

「わたしだ、恐れることはない」。イエス・キリストの言葉です。それは、弟子たちがイエスを陸において舟で向こう岸に渡ろうとしたときのことです。穏やかな湖面を進みます。少し風が出てきました。風は益々強くなり、波は舟の中に容赦なく入ってきます。懸命に水を掻き出します。もう舟が浮かんでいるのが不思議なくらい。そんな状況の舟に逆巻く波の上をイエスが歩いて来られたのです。そして「わたしだ、恐れることはない」と告げられた。この世の波風嵐もイエスが居られる限り恐れることはないのです。しかし「わたしだ」と言われるイエスは舟にではなく、波の上に立っておられる。それは既に舟の中にいる者だけでなく、波の中にいる人たちをも救いに招こうと手を差し出されるイエスの姿です。

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